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2026/09/16 23:09

出店中、あるお客様が見せてくださった一つのコインケース。 それが、このアイテムが生まれるすべての始まりでした。

「海外で買ってきたモロッココインケースなんですが、すごく使いやすくて。こういうの、作れたりしますか?」

見せていただくと、金具を一切使っていないのに大きく開いて取り出しやすい。そして何より、驚くほど薄い。 ひと目見た瞬間、「面白い!作ってみたい!」と職人心に火がつきました。

調べれば調べるほど魅了された構造

イベントが終わった後も頭から離れず、後日詳しく調べてみることに。 すると、これは革工芸の本場・モロッコで昔から愛されている伝統的な小銭入れ(モロッカンコインケース)だと分かりました。

金具を一切使わず、1枚の革を「折り紙」のように折りたたむ構造。 壊れるパーツがなく、機能的で合理的な美しさに、知れば知るほど一気に引き込まれていきました。

パーツを裁断し、ブランドロゴを刻印した状態。ここから形になっていきます

試作はあっさり。でも最後に待っていた「サイズ感」の壁

構造を理解してからは「あ、これならいけるかも」と頭の中で仕立てが繋がり、試作自体は驚くほどあっさり形になりました。

手元で革の厚みを調整しながら仕立てを進めていく作業風景折り目をつけ、丁寧に縫製を施していく様

ですが、形がすんなり出来上がったからこそ、最後にとことんこだわったのが「絶妙なサイズ感」でした。

紙と違って革には厚みがあります。 ほんの数ミリ大きさが違うだけで、たたんだ時にボテッと厚くなってしまったり、逆に小さくしすぎると小銭が指に入りにくくなってしまったり……。

仕立てが進み、綺麗に折りたたまれたコインケースたち

構造がすぐ出来た分、「ポケットにすっと入る薄さ」「手のひらに収まるちょうどいい大きさ」の黄金比を見つける微調整に全力を注ぎました。

手のひらに収まる、最高の使い心地へ

そうして何度も数ミリ単位の調整を繰り返し、ついに完成した「折り紙コインケース」。

組み立て完成!あとは仕上げミシンのみ

ガバッと大きく開くとトレー状に。小銭が一目で見渡せます。手のひらにすっぽり収まる「ちょうどいいサイズ感」の完成品

金具がないから圧倒的に軽くて薄く、開けばガバッとトレー状に広がるので小銭の出し入れもスムーズです。

あの日、声をかけてくださったお客様のおかげで、また新しい自信作が生まれました。 ぜひ手に取って、この不思議な構造と、手にしっくり馴染む「ちょうどいいサイズ感」を確かめてみてくださいね。

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